結成3年目である私たちのクァルテットは、パワフルで快活な演奏を持ち味とし、日々練習に励んでいます。どの偉大な作曲家の作品に取り組むときでも、まず楽譜の中から作曲家の《言葉》というものを探さなければいけません。そしてその言葉を見つけたあと、それをどのように表現していくかということが、練習の課題であると同時に、演奏するうえでいちばん大切なことだと私たちは考えています。弦楽四重奏は、交響曲に並ぶ重要なジャンルとされていて、数多くの名曲が残されています。弦楽器4本で和声の基本である4つの声部を作り上げるため、他の室内楽に比べてひときわ純粋な響きが生まれます。4人の音を調和させるだけではなく、時にはそれぞれの声部が主張しあうなど、協調性や自主性、主体性のバランスがうまく取れていることが大きな魅力であり、弦楽四重奏を演奏する難しさや奥深さでもあると思います。今回のプログラムを決めるにあたって、私たちは異なる時代の音楽様式や、音自体の違いを楽しんでいただきたいと思いました。古典、ロマン、近代の作品からそれぞれ1曲ずつ選び、その中から聴きやすく、親しみやすい楽章を抜粋したプログラムを組みました。それぞれ印象の異なるこの3曲にクラシックの奥深さを感じつつ、愉しんでいただければ幸いです。
-ドヴォルザーク-
弦楽四重奏曲 第6番 へ長調 作品96 「アメリカ」
第1楽章 アレグロ・マ・ノン・トロツポ
第4楽章 ヴィヴアーチェ・マ・ノン・トロツポ
-ベートーヴェン-
弦楽四重奏曲 第9番 ハ長調 作品59-3 「ラズモフスキー第3番」
第3楽章 メヌエット
第4楽章 アレグロ
-バルトーク-
弦楽四重奏曲 第4番
第4楽章 アレグレット・ピッツィカート
第5楽章 アレグロ・モルト