バ ン ド 維 新

A R C H I V E

過去の開催記録

2015.2.21 Sat - 2015.2.22 Sun

バンド維新2015

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INTRODUCTION作品紹介

Single Track
Music 1

[ 演奏 ] 浜松市立開成中学校

[ 作品解説 ]

この作品はとてもシンプルな構造でできています。全編ユニゾンで、その中のある音が高音や低音に配置されることによって別のフレーズが浮かび上がるようになっています。
僕自身はミニマル・ミュージックのスタイルを取っていますが(正確にはその後のポストクラシカルといいますが)そのスタイルではズレが重要になり、2つ以上の声部が必要になるわけですが、あえて単旋律にすることで時間軸上でのズレを考えたわけです。
そのフレーズは単音から始まり、24音まで増殖していって一区切りです。また中間部からは和音らしき響きが聞かれますが、これはあくまでフレーズの中の最初と最後の音のサステイン(持続音)であって意図的に作った和音ではない。後半ではそのサステインが単旋律のリズムと同期して分化されているだけです。
全編ユニゾンということはある意味で理解しやすいように思われますが、演奏する側から考えるとピッチやリズムの違いが誰にでもわかることであり案外難しいとも言えます。またリズムのグルーヴ感(例えばロックやジャズのような)もとても大切です。
このような実験をさせていただいて感謝しています。
尚タイトルは鉄道の単線の意味からとっています。

Field of Clouds1

[ 演奏 ] 浜松市立与進中学校

[ 作品解説 ]

この曲のタイトル、Field of Clouds(雲海)とは雲が海のようにみえる際に使う表現でありますが、吹奏楽で演奏する曲ということで、管楽器でなるべく歌いやすく、演奏しやすいメロディーを中心に編曲を進めていきました。使用楽器もドラムセットではなく、通常吹奏楽部にはある楽器のみで演奏出来るような楽器編成で構成されています。最初、変拍子から始まり、サビの部分はどこか民族音楽的なメロディーで、思わず口ずさんでしまうような曲を書いてみました。特にこのサビはピッコロフルートの高音が印象に残ると思いますが、ユニゾンとハーモニー、そしてベースラインというとてもシンプルな構成になっていて、初心者の人には変拍子が少し難しいかもしれませんが、是非メロディーを歌ってみてください。自然とその変拍子が入ってくると思いますよ。
そして、参考音源には私のトロンボーンソロも収録されていますが、ソリストがいなくても演奏可能な楽曲です。または違う楽器のソロでも構いません。色々な形で楽しんでいただけばと思います。

月山 - 白き山 -

[ 演奏 ] 静岡県立浜名高等学校

[ 作品解説 ]

この曲は小さな編成のバンドでも効果的かつ音楽的な曲をとの要望に応えて作曲しました。
テーマとして私が選んだのは、私の故郷でもある山形県鶴岡市からの眺望できる霊峰「月山」です。
「月山」は出羽三山の中でも一番高い山で、冬はその美しい姿に雪化粧をまとい、またの名を「白き山」とも呼ばれて人々の心に敬虔な思いを抱かせます。
曲は「月山」の荘厳な美しさを讃える第一主題で始まり、この主題が調やテンポを変えながら展開していきます。
そして山の厳しい天候や四季折々の表情を表すように、軽快な第二主題が早いテンポで演奏されます。
この二つの主題が交互に奏され、曲はクライマックスへと向かいます。

演奏にあたって、第一主題はハーモニーをよく聞きながら歌ってください。
第二主題はテンポが崩れないように、また、音符や譜割の正確さに気をつけて演奏してください。

花のワルツ~組曲
「くるみ割り人形」
(チャイコフスキー)

[ 演奏 ] 浜松市立高等学校

[ 作品解説 ]

チャイコフスキー作曲の「胡桃割り人形」の華麗なるフィナーレ「花のワルツ」を借用して2ビート(samba in 2)と4ビート(Jazz)の微妙な"乗り"の違いを、繰り返し練習をすることによって自然に体得出来る様に編曲しました。当然ですがラスト12小節以外は「ワルツ」では無くなりました。
基本的には2ビート(samba in 2)が全体を支配していますが、途中Key of Fに転調している部分は、しっかり4ビートを意識して演奏してください。その事によって"乗り"の違いが明確になり躍動感が増大します

Selection from
 "THE EPITOME"
for Wind Orchestra

[ 演奏 ] 浜松市立高等学校

[ 作品解説 ]

この曲は2004年に名古屋フィルハーモニー交響楽団のために作曲した“THE EPITOME(縮図)” を縮小し、吹奏楽用に書きなおした作品である。

原曲は以下のタイトルにより構成されている。

1) Anxiety Sailing 不安な船出
2) Conflict 葛藤
3) Pulse 躍動
4) Hop 希望
5) Love 愛
6) Look Back 振り返る

この吹奏楽用のSelection from “THE EPITOME”は、各タイトルの所謂『美味しい』箇所を並べたまさに『縮図』の『縮図』と言える。

Dance EGO-lution

[ 演奏 ] 静岡県立浜松商業高等学校

[ 作品解説 ]

「デオダード」等に代表される1970年代頃「クロスオーバー」と呼ばれた音楽のスタイルを多少意識しつつ、セクションによるコーダルな書法の上に対位法的な要素をちりばめてあります。
ベーシックにはちょっと古めのラテンスタイルのリズム。これにモダンジャズの装いとちょっと懐かしい感じのハウススタイルのバッキングをミクスチャー。モチーフは「ビバップ系の捩(よじ)れたフレーズ」対「シンプル&ストレートなスケール」、そして「上行するフレーズによるパワーの蓄積」対「下降フレーズによる解放」、という各々の要素の対比により構築してみました。
タイトルに「ダンス」を標榜していることからも判るように、いかに踊りだしたくなるようなグルーブをつくれるか。パーカッションとベースのコンビネーションがこの曲の要(カナメ)です。特にベーシストのグルーブ感が楽曲の行方を左右することになるでしょう。もし、譜面に書かれているフレーズが難しすぎる場合には、譜面の再現を目指すよりも装飾的要素を排してルート音中心のシンプルなプレイに徹しましょう。
「踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損々」
これは阿波踊りの歌詞の一節ですが、ダンスミュージックを演奏する時の本質も同じです。
各パートの自己主張をぶつかり合わせつつも、整然と寄り添うべきところと自我を弾けさせるところを自在に行き来できるようになればしめたもの。心躍らせつつ楽しんでください。

Dawn Pink 2

[ 演奏 ] 浜松海の星高等学校

[ 作品解説 ]

1998年にアラスカ ジュノーの冷たく燃えるような朝焼けを見つめて作曲したDawn Pink 以来 ユーフォニウムを含むアンサンブルは2度目になります。朝日の光の粒が形をなしていくようで、それでいてもやに包まれてしまうようなイメージで作曲しました。

リズムクロス

[ 演奏 ] 光が丘女子高等学校

[ 作品解説 ]

リズム面に注目してみました。といっても、リズムというものは奥が深く、様々な側面をもっており楽しいもので、ここでそのすべてを放出することはできませんから、また続編を書くことになるでしょう。
この作品の演奏者は、それぞれの短い場面で、それぞれ的確なリズム感覚を共有する必要があります。冒頭の3連符と5連符は何気なく合うのが理想ですが、それが難しいと思います。次に、4Sax.とPerc.にだけ許された、合奏から解放されたLiberamente(自由に)の瞬間が現れます。ここでは解放が逆に束縛になってしまうと難しい・・。そして、16分音符の速さは一定で拍子だけ変化するデジタルな雰囲気の部分が・・。後半は噛み合わせ的束縛感に満ちた楽想ですが、案外、楽に演奏できるでしょう。
楽器編成は極力小さく、音の重ねも極力控え、皆さんのために普段設置されている支柱(つっかえ棒)を外してみましたので、難しい印象かも。でも管・打楽器の魅力は、それでも光り輝くことを証明してほしい。素顔を磨き、その美しさと発言力で勝負してほしいという私の望みを包み隠さず書いたものです。