from Idanha-a-Nova, Portugal
イダーニャ・ア・ノバ, ポルトガル
ポスト印象派の画家ポール・ゴーギャン(1848年〜1903年)の没後110年記念に参加したFilipe FariaとTiago Matiasが2012年に結成したNoa Noa。その活動は、18〜19世紀の芸術家たちが目指した創造的自由のフロンティアを開拓する音楽的探求そのものです。こうした創造的自由の追求は18世紀の西洋音楽史にも見られます。この時代、音楽家たちは歌唱、複数の楽器の演奏、即興、作曲、または自分の作品の指揮といった教育を受けました。創造的魅力に自由に応えるという伝統は人類の歴史そのものと同じくらい古く、それは20世紀および21世紀における超専門化の潮流とは対照的に、近年のアーリー/ワールド・ミュージックにおける新しい実践の中で再び存在感を放っているように思われます。歴史的な楽器そのものとそれを演奏するために必要な技術の再発見は、我々の目を過去へと向けさせましたが、同時に現代の作曲家たちの創造性を刺激する役割も果たしたのです。
Noa NoaプロジェクトにおいてFilipe FariaとTiago Matiasは、世界のアーリー・ミュージック・シーンにおける20年近いプロとしての豊富な経験を活かし、多才なマルチプレイヤーとして古代の音楽家を演じきっています。そこには、こうした冒険的なプロジェクトと、音楽がもたらす親密さに対するふたりのこだわりも垣間見えます。
2014年にはイベリア半島におけるさまざまな文化や言語の集合的記憶をテーマにした最初のCDを発表。「エブロ川を越えて」縦横に織りなされるサウンドを、ポルトガル語、カスティリヤ語、ミランダ語、ガリシア語、アストゥリアス語、バスク語、あるいはカタルーニャ語で彩りました。ポルトガル文化省、芸術総局、イダーニャ・ア・ノバ自治体のサポートを受けた「Lingua (vol. 1)」(Linguaは言語の意)と呼ばれるこのプロジェクトでは、イベリア半島の文化史におけるもっとも一般的な面からもっとも特徴的な面までが取り上げられています。このCDはクラシック音楽/ワールド・ミュージック/ジャズ部門で3か月間TOP FNACの第1位を獲得し、2014年7月から11月までにポルトガルでもっとも売れたアルバムのひとつとなりました。
2015年、Noa Noaはプロジェクト「Língua」第2弾となる2作目のCDを発表。2016年にはラディーノ語によるセファルディムの楽曲を取り上げたCDがプロジェクトの第3弾としてリリースされます。
2012年以降、Noa Noaはポルトガル、フランス、ベルギーを代表する複数の会場で50回を超えるコンサートを行ってきました。この中にはCentro Cultural de Belém(リスボン、ポルトガル)、Flemish Opera(ゲント、ベルギー)、Bozar(ブリュッセル、ベルギー)、DeSingel(アントワープ、ベルギー)、Opera de Lille(フランス、リール)が含まれます。
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