Artefactumのメンバーは、その人生経験と同じくらい豊かで複雑な音楽的キャリアを持つ、熟練の演奏者たち。この事実こそ、彼らが生み出す作品を理解するための基本です。実際に経験してない感情を伝達することはできません。楽譜から喜怒哀楽を学び取ることはできないのです。中世という時代はおそらく、修道院的な慎ましさとならず者的な酒場の日常、宮廷の安楽な生活とサンティアゴの巡礼路に代表される貧窮が、もっとも鮮明なコントラストを放っていた時代です。信じがたいことですが、Artefactumの音楽はこうしたあらゆる要素、そしてそれ以上のものを内包しているのです…。

さまざまなコンサートで見られる、礼拝的と言いたくなるような退屈さや荘厳さは、中世の音楽が持つ特徴ではありません。このことを熟知しているArtefactumは、現代的な音楽の探求をあきらめることなく、自らが演奏する作品のクールさと自然さを、中世のレパートリーに取り戻したいと願っています。

堂々たる響きを持ち視覚にも訴えかける楽器に加え、常に中世の時代様式に忠実であり、オープンで創造的なコンセプトを通じて、Artefactumは私たちを中世の旅へと誘います。騒々しい酒屋を通り過ぎ、修道院の孤独を感じ取り、悪臭を放つ凍り付いた道を歩けば、活気溢れる台所からさまざまな香りが漂ってきます。しかしご心配なく。ペストに感染したり、異端審問を受けたりする恐れはもちろんありません！

Artefactumは1994年、スペイン全土における中世の音楽レパートリーの復興と普及を目指して結成されました。その後、スペインの中世音楽シーンを代表するグループのひとつとなっています。

古代音楽のフェスティバルに精力的に参加してスペイン全土で高い評価を受けている彼らは、国内のみならずイタリア、ポルトガル、フランス、モロッコといった海外のフェスティバルにも数多く招聘されています。