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【ピアニスト】三浦 謙司


5月10日に新日本フィルハーモニー交響楽団とピアノコンチェルトで共演する、三浦謙司さん。浜松国際ピアノコンクール入賞者という経歴を持っています。
今、最も魅力の溢れる実力派ピアニストにお話を聞きました。

ピアニストを目指したきっかけ

©Jeremy Knowles

おばあちゃんの家に古いアップライトピアノがありました。その脚の隙間に座るのが好きで、物心つく前から一番好きな場所がピアノ(の脚)だったので自然に惹かれたのでしょう。4歳で『習いたい』と言い出し、5歳の時には『ピアニストになる!』と宣言していました。小さな頃から何でも上手くなりたい意欲が強い子どもでした。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番について

華やかでロマンチックな作品として世界中で愛されていますが、それは作品の本質と異なっていると感じます。
この曲は、鬱になり苦しんでいたラフマニノフが生み出したもの。本当はもっと苦悩に満ちた音楽なのではないでしょうか。3楽章に入ってやっと希望の光が差し込んでくる…この 瞬間を感じてもらえるような音楽を創りたいと思っています。

ロン・ティボー・クレスパン国際コンクール優勝(2019年11月)のこと

優勝が決まったときは、色々な想いが重なって複雑な気持ちでした。真実を言うと戸惑いが一番大きかったですね。世界の場で認められ、国際的なキャリアのスタートラインに立つ。そのためにずっとずっと努力してきた僕ですが、新たな目標や野望を見つけるのには時間がかかりました。優勝後は、使命感を感じるようになり、音楽的にも自由さが増えました。無意識にコンクールというリミッターがどこかにあったのでしょう。それがやっと外れた感じです!

表の場で演奏しなくても音楽が止まるわけではない

ステイホーム中、演奏活動ができないことで金銭的などのマイナス点はもちろんありましたが、『演奏家』ではなく『音楽家』という姿勢があると。この時間はものすごく大きい収穫だったと思います。表の場で演奏しないからといって音楽が止まるわけではない。それを認識できたことに幸せを感じます。

第9回浜松国際ピアノコンクールの思い出

優勝したアレクサンダー・ガジェヴとは親しい友達です。浜コンで初めて会って以来、彼はベルリンに引っ越し、数年前からは同じ門下生でもあります。音楽家としても人間としても大好きな彼と出会えたことが浜コンでの1番の収穫かもしれません。僕にとっては初めての国際コンクールでしたが、彼と毎晩飲んだり時間を過ごしていた時は、コンクールという意識をほとんどしませんでした。

一度ピアノから離れてみたときのこと

物事は時間をかけて努力すれば上手くなるのは当たり前。道が自然にできて、どんどん進んでしまうのが嫌だったんです。言い出したことを人生かけてやる覚悟を決めるには余りにも若すぎると。音楽家とは職業ではなく、生き方そのもの。だから「最も重要な時期」と言われましたが、一時期ピアノから離れました。周りからは反対されたけど、この先音楽と真剣に向き合うためには必要だと信じていたし、この決断が今の自分を支えています。今、音楽家として欠けているものはあっても、音楽と向き合う覚悟だけは誰にも負けません。

ボクシングと読書

一見野蛮に見えるボクシングですが、実はとても頭を使うし奥深い。そして結果とリスクが1対1の比率だから好きです。人間は結果を求めるけど、同じだけのリスクは背負いたくないところがある。その部分を言葉通り叩き直してくれるのがボクシングなのです。読書は、古典文学から神経科学など何でも好き。ジャンルにはあまりこだわりません。何でも興味を持ったら読む感じです。

家庭を持つことが小さい頃からの夢

昨年6月に結婚し、もうすぐ父親になります。小さい頃から最も望んでいたのが「家庭を持つ」ということだったので、それが叶ってとても幸せです。家族との時間を大切にして、何事においても子供が自分の姿を見て誇れるようにありたいと思っています。

浜松のお客様へ

大好きな浜松を再び訪れることができて、嬉しいです。前回、浜松で演奏したのは2017年のこと。(浜フィルと協演)その時演奏した曲は、ラフマニノフの協奏曲1番でした。今回は、彼が苦悩の中から生み出した2番を演奏させていただきます。大変な世の中になってしまいましたが、だからこそ聴きに来てくださるお客様と音楽に感謝を込めて、挑みます。

第11回浜松国際ピアノコンクール 開催記念
三浦謙司×中桐 望×新日本フィルハーモニー交響楽団

2021年5月10日(月) 18:30開演 
●アクトシティ浜松 中ホール
●入場料(全席指定)
 S席 6,000円
 A席 4,500円
 B席 3,000円
 学生B席 1,000円(24歳以下)
 ※未就学児の入場はご遠慮ください。

公演の詳細は、こちらをご覧ください。