浜松市立初生小学校コンサート
公演日 2020年10月26日(月)
会場 浜松市立初生小学校
時間 13:35~14:20
演奏者 松田 理奈(ヴァイオリン)
横坂 源(チェロ)
■プログラム
①ベートーヴェン:デュオ第1番より第1楽章
≪楽器のお話 他≫
②バッハ:G線上のアリア
③ラヴェル:ヴァイオリンとチェロのためのソナタより第3、第4楽章
《質問コーナー》
④ヘンデル・ハルヴォルセン:パッサカリア
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本日、浜松市立初生小学校で演奏家派遣事業「弦楽コンサート」が開催されました。
演奏は、松田理奈さん(ヴァイオリン)と横坂源さん(チェロ)。
松田さんは、14歳でソロリサイタルを開催後、数々のコンクールで入賞、オーケストラや
著名指揮者と共演しています。これまでに5枚のアルバムをリリースしています。
横坂源さんは、若手実力派として数々のコンクールでの入賞実績をもつ人気チェリストです。
本年は演奏活動20周年を迎え、今年5月に予定していたアクトシティ浜松でのソロリサイタルは
コロナ禍で中止となってしまいましたが、12月5日に振替公演を予定しています。
現在は浜松を拠点に、日本全国そして世界にも活動の幅を広げていらっしゃいます。
本日鑑賞したのは、6年生の113名。
いつもは音楽室など学校の教室で、演奏家の息遣いを感じられるほどの空間で行う「弦楽コン
サート」ですが、コロナ禍のため3密を避ける意味合いから、会場を体育館に変更して、
演奏者との距離を十分にとりながらの開催となりました。
最初の曲は、ベートーヴェンのデュオ第1番より第1楽章。
ヴァイオリンとチェロ、2種類の弦楽器が紡ぎだす心地よい響きに体育館が包まれます。
楽器のお話コーナーでは、同じ弦楽器であるヴァイオリンとチェロについて、大きさの違いや
音の高低、重さなどについて説明がありました。
松田さんのヴァイオリンは「ストラディバリウス」という、イタリアの有名な楽器で約300年前
に製作されたものなのだそう。横坂さんのチェロは、とても立派で重そうに見えます。
「どのくらいの重さか持ってみる?」と1人の児童さんを招き入れ、なんと特別に触らせてもら
えることに。
「思っていたより重くない!」
大きな楽器だけれど、中は空洞になっているから見た目よりずっと軽く感じたのですね。
普段、目にする機会が少ない弦楽器に子どもたちは興味を持って二人のお話に耳を傾けました。
バッハのG線上のアリアでは、本当はオーケストラのためにかかれた曲をチェロとバイオリンで
演奏。一つ一つの音が優しい響きが静かな体育館に染みわたっていくように感じます。
次の曲は、フランスの作曲家ラヴェルによる「ヴァイオリンとチェロのためのソナタより第3、
第4楽章」。不安や悲しみを感じる不協和音のような響きと、反対にきれいで美しい響きの両方
が入っている曲です。
「2つの違いを感じながら聴いてみてくださいね。」
松田さんの語り掛けて演奏が始まり、二人の真剣な表情と緩急のある音楽の響きに、子どもたちも
すっかり引き込まれていました。
質問コーナーでは、本当にたくさんの手が上がります。子どもたちがまず最初に気になる質問は、
「楽器の値段はいくらですか!?」
松田さんは、「お屋敷やお城が建つくらいのすごく高い金額。お金持ちや会社が楽器を買って、
私たちのような演奏家に貸し出してくれていることも多いです。」と答えてくれました。
また、「一番難しい曲は?」という質問には、
「今、演奏した曲と次に演奏する曲です!」と松田さん。
たくさんの音符があって早く演奏する複雑な曲だけでなく、逆に音が少なくゆったりとした
曲を一つ一つの音に気持ちを込めて演奏することも、同じように難しいと教えてくれました。
最後に、美しい旋律が力強く交差していく難曲、ヘンデル作曲・ハルヴォルセン編曲の
「パッサカリア」。松田さんのヴァイオリンと横坂さんのチェロによる素晴らしい演奏に、
会場の体育館はまるでコンサートホールのような深い響きに。
プログラム終了後、6年生が学習発表会のために練習している合唱曲を、サプライズで演奏して
くださいました。お二人の伴奏に合わせて、全員がマスクをしたままで静かに合唱しました。
プロの音楽家との贅沢なコラボレーションに、子どもたちも感動している様子でした!
小学校最終学年の素晴らしい思い出になったのではないでしょうか。
演奏終了後、チェロの横坂さんは、
「普段、体育館での演奏は少しやりにくいものです。会場内外の環境や光の加減、静寂さ、
子どもたちの聴く姿勢など、色々な要素が影響していると思いますが、今日のコンサートは
とても心地よく演奏できました。素晴らしい時間を過ごせました。」
との感想を寄せてくださいました!