浜松市立大瀬小学校コンサート
公演日 2019年11月22日(金)
会場 浜松市立大瀬小学校
時間 13:30~14:15
演奏者 横坂 源 (チェロ)
今西 泰彦 (ピアノ)
■プログラム
①ジョバンニ・ソッリマ:チェロ無伴奏曲
《楽器の話 他》
②ストラヴィンスキー:イタリア組曲よりイントロダクション、セレナータ、タランテラ
③フォーレ:エレジー
④ピアソラ:鮫(サメ)
⑤ピアソラ:Psicosis
⑥ピアソラ:Sensuel
《質問コーナー》
《子ども達との共演 校歌》
今年度4校目となる演奏家派遣事業「弦楽コンサート」が大瀬小学校で開催されました。
6年生45人が音楽室に集まり、チェロとピアノの演奏を楽しみました。
今回演奏していただいたのは横坂源さんと今西泰彦さんです。
お2人とも浜松在住の演奏家です。
横坂さんは13歳で東京交響楽団と共演、その後NHK交響楽団や読売日本交響楽団など
主要なオーケストラとも共演されています。
また、全日本ビバホール・チェロコンクールで最年少優勝(15歳)やミュンヘン国際音楽コンクールで第2位を受賞など、国際的なチェリストとして、今最も注目されている演奏家の一人です。
今西さんも国内外の各地でソロリサイタルや数々の室内楽奏者、指揮者、オーケストラと共演。
また演奏活動以外にも伴奏者への指導やコンクールの審査員、ドラマや映画での撮影協力など
幅広い分野で活躍しています。
1曲目はジョバンニ・ソッリマのチェロ無伴奏曲です。
チェロだけの演奏ですが、迫力のある音色に子どもたちも一気に横坂さんの奏でる音楽の世界に
引き込まれたように真剣に聴き入っていました。
楽器のお話では、チェロについて色々なことを学びました。
「チェロは何の木から作られているのでしょう?」と問いかけられると、
「桜」「アカシア」「ヒノキ」などたくさん声が上がりました。
実際は楓の木から作られているものがほとんどだそうですよ。
また、大きくて重そうに見えるけれど、実は中は空洞で2~3㎏しかないとのこと。
他にも「チェロにはピアノのように鍵盤がないので、ドレミファ...と正確な音を出すのがとっても難しいです。」とお話してくださいました。
さらに2人の児童がチェロの演奏を体験しました。
振動を感じてほしい、ということで最初は楽器を持った状態で横坂さんに弾いてもらいました。
「本当にビリビリする!」と2人とも驚いた様子でした。
その後、弓の持ち方を教えてもらっていざ挑戦。
弦楽器は音を鳴らすこと自体が難しいイメージですが、2人とも上手に
音を鳴らすことが出来ました。
なかなかチェロを弾く機会はありませんから、とてもいい経験になりましたね。
3曲目はフォーレのエレジーです。
エレジーとは悲歌や哀歌と訳され、亡くなった人のことを思って書かれます。
単調なピアノの和音と、物悲しさを感じさせるチェロの低音の旋律が印象的です。
4曲目はエレジーから一転、アルゼンチンの作曲家でタンゴの名人と言われたピアソラの
「鮫(サメ)」というリズミカルな曲で即興アンサンブルです。
2人の児童がマラカスを持って一緒に演奏しました。
最初はその独特のリズムに合わせるのが難しそうでしたが、途中からしっかり
リズムに乗って演奏できました。
質問コーナーでは沢山の手が挙がりました。
「チェロを始めたきっかけは何ですか?」という質問には、
「昔、よく遊んでもらっていたお兄さんがチェロをやっていたから自分もやりたいと思って始めました。もしそのお兄さんがチェロ以外の楽器をやっていたら、今違う楽器をやっていたかもしれないです。」と横坂さん。
「どうしたら楽器を上手く弾けるようになりますか?」という質問には、
「いい師匠に出会うことです。演奏を聴きに行って、これだ!と思う先生を見つけたら、
自分から会いに行くような行動力を身に付けてほしいです。」と今西さんが答えてくださいました。
最後は横坂さん、今西さんの演奏に合わせてみんなで校歌を合唱。
大きな歌声が音楽室に響き渡りました。
多様な曲目に演奏体験、さらには即興アンサンブルと盛りだくさんのコンサートになりました。
チェロについて理解を深めるとともに、その魅力、さらには音楽の楽しさを感じてもらえたのではないでしょうか。