MIYAGAWA Akira宮川 彬良
東京藝術大学在学中より劇団四季、東京ディズニーランドなどのショーの音楽を担当。代表作に「ONE MAN’S DREAM」「身毒丸」「ザ・ヒットパレード」「マツケンサンバⅡ」など。これまでに「大阪フィル・ポップス・コンサート」の音楽監督を務めたほか、「宮川彬良&アンサンブル・ベガ」「コンチェルタンテⅡ 宮川彬良vs新日本フィルハーモニー交響楽団」2014年からは「Osaka Shion Wind Orchestra」の音楽監督など、自身が作曲、編曲、指揮、ピアノ演奏、解説を行いながら進める独自のコンサートスタイルで人気を呼んでいる。NHK Eテレ「クインテット」、 BS2「どれみふぁワンダーランド」、BSプレミアム「宮川彬良のショータイム」の音楽担当、及び出演。アニメ「宇宙戦艦ヤマト2199」の音楽など多岐にわたり活躍中。2013年歌劇「あしたの瞳」、2015年歌劇「ブラックジャック」を発表した。
現代吹奏画報
[ 作品解説 ]
現代音楽が嫌いだった。
友人からレコードを聴かされて「どうだ、カッコ良かろう?!」と問われた時も、素直にうなずけなかった。学生の頃の話だ。
コンサートにも何度も足を運んだ。それは約2時間の哲学の道場の様でもあり、半ば拷問の様でもあった。確かに終った瞬間の解放感はあったが、必して後味のいいものではなかったな。ともかく一向に好きになれず、僕は現代音楽を遠ざけた。
僕はエンターテイメントの世界に身を投じた。自分の好きな、そして他人の役にたつ音楽を書き続けて来た。他人が喜ぶ、そして自分が喜ぶメロディーを書き続けた。それはそれで良かったのだ、何ら疑問の余地はない。しかしそれでも、決して自分の思い通りにならなかった”現代音楽”への「敗北感」とでも言おうか、未知への「憧れ」の様な感覚はずっと秘めていたのだ。こういうのをコンプレックスというのだろう。
ところが最近、そんなことがどうでも良いと思えて来た。フランスで現代音楽を研究している娘から、「現代音楽家っていうのは、現在生きている音楽家っていう意味なんだよ。」と聞かされ眼が醒めた。そうか、僕は現代音楽家だったのだ。僕の作る音楽は、人が好こうが嫌おうが、立派な「現代音楽」だったのだ。
そう思った時分から音が流れ出した。手はじめに雑誌の様な曲を書きたい、と思った。「物語り」や「小説」ではなく「雑誌」の様な。
「現代吹奏画報」は、そんな自分にとっての新たなる1ページとなるはずだ。事実、この曲を書き上げ、初めて音を出した時、「あぁ、やっと僕は作曲家になれた…」という気がしたのだった。
(宮川 彬良)
[ 編成 ]
Piccolo
Flute
Oboe
Fagotto
B♭ Clarinet 1,2
B♭ Bass Clarinet
E♭ Alto Saxophone
B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone
B♭ Trumpet 1,2
F Horn 1,2,3
Trombone
Bass Trombone
Euphonium
Tuba
String Bass
Keyboard
Timpani
Percussion 1(Xylophone / Marimba / Glockenspiel / Suspended Cymbal / Tubular bells)
Percussion 2(Suspended Cymbal / Snare Drum / Wood Block / Triangle / Gong / Maracas)