NISHIMURA Yu西村 友
神奈川県鎌倉市生まれ。 県立高校を経て、東京音楽大学器楽科に入学。後に作曲・指揮者の道を志し転向する。紙谷一衛のもとで研鑚を積む。指揮を紙谷一衛、故松本紀久雄に、ピアノを鈴木かおり、渡辺真知子に、和声・作曲法を糀場富美子、服部京子に、楽器法を山本孝にそれぞれ師事。 現在、劇団四季ミュージカル『ライオン・キング』の指揮を初演から続けているほか、 ミュージカル「ルビチ」のアレンジ、バレエ「ジャン・コクトー」のアレンジ・音楽監修、ミュージカル「家なき子」のアレンジ・指揮等、親友でもある作曲家・宮川彬良氏の作品にも多く参加している。「椿姫」「カルメン」「愛の妙薬」等々オペラの指揮・副指揮、「兵士の物語」「緑の指」「ハーリ・ヤーノシュ」「ハーメルンの笛吹き」等の音楽劇、市民ミュージカル・オペラなど舞台音楽も多く手がけている。近年では「グランド・ホテル」「ハウ・トゥ・サクシード」等のブロードウェイ・ミュージカルの日本公演の指揮・アレンジも担当している。2009年には「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治)を劇団ひまわり(演出・脚本中島透)と共に、全曲の作曲・音楽監督・指揮として作り上げ、成功に導いた。 ’03サンクトペテルブルクで行われたプロコフィエフ国際指揮者コンクール本選出場を果たす。エドゥアルド・マータ国際指揮者コンクールの第一次予選も通過している。
シュレーディンガーの猫
[ 作品解説 ]
オーストリアの理論物理学者、シュレーディンガーが1935年に提唱した思考実験が、所謂「シュレーディンガーの猫」です。これは、すご~く簡単に言うと「ふたをした箱の中に猫が1匹いる。箱の中にはラジウムという原子が一つだけあり、そのラジウムが放射線(α粒子)を出すと反応して毒ガスを出す装置も置いてある。仮にラジウムが放射線を出す確率を1時間に50%だとすると、1時間後の猫は死んでいるか生きているか?」という架空の実験。
「生きてるか死んでるか、どちらかに決まってるじゃない!」と結論を急ぐなかれ、量子力学上は「この猫は死んでいる状態と生きている状態が両方重なり合っている」と認識するのです。なぜそうなるかというと…お話はここから先が面白いのですが、まあそれはみなさんに調べていただくとして…。
人の心にも世の中に起きるいろいろなことにも、白黒つけにくいことたくさんありますよね。「Aさんも好きだけどBさんも好き」「辛いけれど楽しい」「同時に存在する多元宇宙」等々…。答えは無限にあるようにも、一つの真理に近づいていくようにも見える…
曲は常に二つの要素を含みながら進んでいきます。例えば鏡に映った相反するメロディ、交互に現れる一番遠いコード、一つの和音がトリルによって瞬間さまざまな色を行き来する世界、等々。
さて、先ほどの「シュレーディンガーの猫」、結局のところ死んでいるのでしょうか生きているのでしょうか?答えは簡単。「ふたを開けてみれば良い」のです。
謎は続くとしても、まずふたを開けてみましょう。答えはそこにきっとある…かもしれない。
(西村友)
[ 編成 ]
Flute 1,2
Oboe
Bassoon
B♭ Clarinet 1,2,3
B♭ Bass Clarinet
E♭ Alto Saxophone 1,2
B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone
B♭ Trumpet 1,2
F Horn 1,2,3,4
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
String Bass
Percussion 1(Finger Cymbal / Triangle / Bass Drum / Snare Drum)
Percussion 2(Suspended Cymbal / Pair Cymbal / Tambourine / Snare Drum / Castanet)
Percussion 3(Glockenspiel /Chime(opt.))
Percussion 4(Xylophone / Vibraphone / Chime(opt.))