MATSUSHITA Ko松下 耕
1962年東京生まれ。作曲家、合唱指揮者。国立音楽大学作曲学科首席卒業。ハンガリー・コダーイ研究所合唱指揮マスターコース修了。レメーニ・ヤーノシュ、モハイ・ミクローシュ他に師事。
作曲家として生み出している作品は、合唱曲を中心として多岐にわたり、それらの作品は国内のみならず、世界各国で広く演奏されており、同じく楽譜も国内のみならず、海外においても出版が相次いでいる。これまでに、国内およびポーランド、中国、台湾において個展が開催された。深圳では深圳交響楽団によりオーケストラ作品の初演も行われた。
同時に、東京合唱アライアンス〈耕友会〉音楽監督として10団体以上の指揮を務め、各合唱団は精力的な活動を繰り広げ、ヨーロッパの数々の国際合唱コンクールにおいて、グランプリ等優秀な成績をあげている。
現在ではヨーロッパ、アジア各国で国際合唱コンクールの審査員として、国際作曲コンクールの審査員として、またレクチャーの講師としても活躍中である。
2005年、合唱音楽に置ける国際的かつ優れた活動が認められ、「ロバート・エドラー合唱音楽賞」をアジア人で初めて受賞した。
代表作品・合唱曲〈オーケストラと混声合唱のためのカンタータ 水脈速み〉〈信じる〉(NHK全国学校音楽コンクール課題曲)〈混声合唱とピアノのための やわらかいいのち〉〈女声合唱とピアノのための 三つの詩編〉他多数。他に、管弦楽のための〈De Profundis〉〈黙礼〉など。
現在、耕友会芸術総監督。軽井沢国際合唱フェスティバル総合音楽監督。東京都合唱連盟副理事長・全日本合唱連盟東京支部副支部長。日本作編曲家協会会員。日本合唱指揮者協会会員。全日本合唱連盟国際青少年委員。国際コダーイ協会会員。
Resurrection for Wind Orchestra
[ 作品解説 ]
『復活』という表題を持つこの曲は、その題名の通りイエスキリストの受難と復活を描いたものである。曲は6つのセクションから成り立っており、冒頭の第1部は人間の不信と猜疑、無関心と圧力に満ちた混沌とした重苦しい世の中を、突如現れる第2部は十字架上のキリスト、まさに磔刑の場面を、第3部はその後の空虚に満ちた世界を、ごく短い第4部は復活の予感を、チャイムで幕を開ける第5部は復活とその感動を、リズミックなアレグロの第6部は神の子として生きる私達人間の歓喜と感謝を、それぞれ時間の推移とともに表している。
この曲の主要部である第5部では、私の男声合唱作品”Cantate Domino”(主に向かい新しい歌を歌え)のテーマが奏される。復活はまさに、新しい時代の幕開けの象徴でもある。混沌とした現代に生きる私達は、今こそ『新しい歌』、つまり『真理』を探し、高らかに叫ぶべきではないかとの思いから、ここに私が最も愛する調性である変ニ長調のテーマを置いた。
この曲を演奏する皆さんが、どんな時代になろうとも否むことの出来ぬ、人間の希望と信頼、愛と夢を表現してくだされば幸いである。
(松下 耕)
[ 編成 ]
Flute 1,2(Piccolo)
Oboe
Fagotto
B♭ Clarinet 1,2,3
B♭ Bass Clarinet
E♭ Alto Saxophone 1,2
B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone
B♭ Trumpet 1,2
F Horn 1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
Contrabass
Timpani
Percussion 1(Snare Drum / Bass Drum / Suspended Cymbal)
Percussion 2(Vibraphone / Crash Cymbals / Tom-toms)
Percussion 3(Xylophone / Glockenspiel / Chime)