KINOSHITA Makiko木下 牧子
東京生まれ。東京芸術大学作曲科卒業、同大学院修了。
芸大卒業記念演奏会において、管弦楽曲「壺天」が作曲科首席卒業作品として演奏される。
日本音楽コンクール作曲(管弦楽曲)部門入選。
日本交響楽振興財団作曲賞入選。
’03年オペラ「不思議の国のアリス」(モーツアルト劇場創立20周年委嘱作品)初演で三菱信託芸術文化財団奨励賞受賞。
’05年改訂初演で主宰・モーツアルト劇場がエクソンモービル音楽賞受賞。
NHK全国学校音楽コンクールや全日本吹奏楽コンクールなどの課題曲も多く担当している。
日本現代音楽協会、日本作曲家協議会、日本管打・吹奏楽学会、各会員。
出版は約70冊、CDも「ふるえる月」(室内楽/ALM RECORDS)、「祝福」(無伴奏合唱/ビクターエンタテインメント)、「へびとりのうた」(歌曲/fontec)、「邪宗門秘曲」(合唱&管弦楽/fontec)他多数。
本人の運営するホームページは’00年5月の開設以来100万を超えるアクセスがある。 (木下牧子Homepage http://www.m-kinoshita.com/)
主要作品にオペラ「不思議の国のアリス」、管弦楽曲「夜の淵」、弦楽オーケストラのための「シンフォニエッタ」、吹奏楽曲「GOTHIC(ゴシック)」、パーカッション・アンサンブル「ふるえる月」、クラリネット・トリオ「ねじれていく風景」、ピアノ曲集「9つのプレリュード」、混声合唱曲「邪宗門秘曲」、女声合唱とPercのための「BLUE」、歌曲集「晩夏」、ピアノのための「夢の回路」他。
サイバートリップ
[ 作品解説 ]
芸大大学院時代、全日本吹奏楽連盟の課題曲公募に「序奏とアレグロ」で応募し採用されたのが、吹奏楽との関わりの最初でした。師の浦田健次郎先生が、当時からオーケストラ作品と共に質の高い芸術吹奏楽曲を発表しておられた影響で、私も学生時代から吹奏楽に興味を持ったのですが、当時の吹奏楽界は完全な男の世界で20代半ばだった私には居場所がなく、その後興味が声楽系に移ったこともあっていつの間にか吹奏楽を書かなくなってしまいました。
数年前、全日本吹奏楽連盟から課題曲委嘱をいただいたのを機に吹奏楽の作曲を再開。'06年課題曲「パルセイション」、秋田の大曲吹奏楽団の委嘱で書いた「ゴシック」に続いて、「サイバートリップ」が復帰第三弾となります。
吹奏楽のサウンドは非常に明るく華やかなため、今までの私の作品は音楽自体を意図的に暗めな重厚な響きで統一する傾向があったのですが、この作品はタイトルからもおわかりいただけるように、今までで一番エンタテインメント色が強く、響きの明るい作品となっています。もともと大編成好きの私が小編成作品を書くにあたって取ったスタンスは、室内楽的・対位法的な書き方をするのでなく、小編成でありながら大編成の迫力を出せる書き方をすることでした。ピッチと音裏バランスがうまく決まりさえすればトゥッティで鳴ったとき、かなり厚みのある充実した響きとなるはずです。
[ 編成 ]
Piccolo
Flute 1,2
B♭ Clarinet 1,2
B♭ Bass Clarinet
E♭ Alto Saxophone 1,2
B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone
B♭ Trumpet 1,2
F Horn 1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
String Bass
Timpani
Percussion (S.D. / Cymb. / Xylo. / Glock. / Tubular-Bells / Triangle / Tambourine)