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作曲家紹介

HATTORI Katsuhisa服部 克久

服部 克久

フランス パリ国立高等音楽院修了。1958年帰国。

戦後復興後のテレビ放送の創成期より活動を始める。

日本テレビ『サンデーダーク』、『ハニータイム』、フジテレビ『ミュージックフェア』などを皮切りに、テレビ・ラジオ番組、ドラマ、アニメ、映画、CMの音楽や音楽監督を数多く担当。

TBS系列『ザ・ベストテン』『日曜特集・新世界紀行』『クイズ100人に聞きました』のオープニングテーマ、フジテレビ系列『ママとあそぼう!ピンポンパン』、映画『連合艦隊』や『北斗の拳』、アニメ『トム・ソーヤの冒険』、NHK連続テレビ小説『わかば』などを手掛ける。

又、国内唯一のプロ・ポップスオーケストラ、東京ポップスオーケストラを結成。100を超える都市でコンサートを開催。日本人初となる米国国連総会会議場での演奏や、カーネギー・ホールでのニューヨークポップス・オーケストラとのコラボレーションコンサートなど、その活動は海外からも高い評価を得た。

音楽活動の傍ら、国際博覧会を含む様々なジャンルの音楽監督やプロデューサー、音楽祭の理事や審査員、更にはコメンテーターとしてテレビに出演するなど枠にとらわれない活動が注目を浴びる。日本作編曲家協会 会長、東京音楽大学 特別招聘教授として日本の音楽シーンの発展にも尽力した。

1984年より【音楽の自然食】をテーマとしたインストゥルメンタル集「音楽畑」シリーズをスタート。“夕陽”、“ル・ローヌ”、“自由の大地”、“Friends・Love・Believing”などの代表曲とともに、全22作をリリース。令和元年に発売された「音楽畑22-The Final?-」が最後の作品となった。

75歳を迎えた2011年、TBS系列で第一回目が放送された『音楽の日』の音楽監督に就任。その後晩年に入っても3枚のオリジナル・アルバムを発売し、コンサートも開催。自身初の自伝的エッセイ集や「音楽畑」の楽譜集を出版するなど、生涯現役を貫いた。

星への誘い -Invitation to the stars-

[ 作品解説 ]

もともと「星界の紋章」というアニメシリーズのテーマとして作曲したもので、広大な宇宙空間を航行していく宇宙船軍団というイメージです。同じメロディのテーマが各楽器によって、繰り返されますがバックの音に埋もれてしまわないようにしっかり演奏して下さい。曲の後半に行くにしたがって、アッチェルランドとクレッシェンドで盛上げていって、エンディングのホルンは思い切ってフォルテッシモで音を割るような雄叫びのような感じで演奏して下さい。出来るだけ長く伸ばして最後はピアニッシモでおわります。

[ 編成 ]

Flute 1,2
B♭ Clarinet 1,2
E♭ Alto Saxophone
B♭ Tenor Saxophone

B♭ Trumpet 1,2
F Horn 1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba

Timpani
Percussion (S.D. / B.D. / Sus.Cym. / Glock. / Tambourine )

Tango Appassionato

[ 作品解説 ]

タンゴと言えば普通アルゼンテインタンゴとコンチネンタルタンゴの2種類に大別されるのですが、最近ではアストル・ピアゾラ作曲のリベルタンゴがヨーヨーマのチェロ演奏によりリバイバルヒットした事も有ってピアゾラ風モダンタンゴというジャンルも確立されて来た様な気がします。30年程前にカラカスのある音楽祭でピアゾラに会った事が有りますが、非常に血の気の多いひとで、成る程あの性格ならあんな曲を書くなーと感心した覚えが有ります。
この曲もピアゾラを意識して書きました。fはうんと激しく、pはうんと優しく演奏して下さい。日本人はどうも愛情の表現が下手だと言われていますが、この曲を演奏する時は自分がアルゼンテイン人になった積もりで、恥ずかしさをかなぐりすててうんと情熱的に行ってみましょう。

[ 編成 ]

Piccolo
Flute
Oboe
Bassoon

B♭ Clarinet 1,2,3
B♭ Bass Clarinet

B♭ Soprano Saxohone
E♭ Alto Saxophone
B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone

B♭ Trumpet 1,2,3
F Horn 1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
String Bass

Timpani
Percussion ( Sus.Cym. / Tom-tom / Xylo. / Tubular-bells / S.D. / B.D. / Tambourine)

Mato Grosso 2014

[ 作品解説 ]

ブラジルのギタリストにバーデンパウエルと言う名手がいる。
パウエル奏法という言葉がある位だから、ギターがめちゃ上手の天才ギタリストであることは言うまでもないが、作曲者としても数々の名曲を残している。なかでもブラジルの民族楽器のビリンバウにインスパイアーされて作った「ビリンバウ」は世界中の名ギタリスト達がカバーをしている名曲だ。
1970年代に彼が来日した時、NHKの番組に出演し、僕が音楽監督を担当した縁から親しく付き合わせて頂いた思い出がある。その時に聴いた「ビリンバウ」の印象は真に強力で、その後、二度ほど訪れたブラジルの想い出とも重ね合わせて、「マトグロッソ」と言う曲を音楽畑アルバムに収録した。今回、ブラスバンドのために大幅に手を入れ、リアレンジしたのが今日お聴き頂く「マトグロッソ 2014」である。
ビリンバウという楽器は元々、弓の弦をはじいて遊んでいるうちに段々楽器として認知されるようになったと聞いている。演奏にあたってラテン楽器を担当するプレイヤーは、譜面をある程度マスターしたら、アドリブ奏法を取り入れて自由に演奏して欲しいと思う。マトグロッソは緑濃いアマゾンの森の意味で、密林の奥深く潜んでいる極彩色の熱帯の鳥や動物たちを頭に描きながら、神秘的な森の静けさと爆発するアマゾンの躍動感とを、コントラストを持って表現して欲しい。
(服部克久)

[ 編成 ]

Piccolo
Flute 1,2
Bassoon

B♭ Clarinet 1,2,3
B♭ Bass Clarinet

E♭ Alto Saxophone 1,2
B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone

B♭ Trumpet 1,2,3
F Horn 1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
String Bass

Synthesizer

Percussion
(Maracas / Berimbau / Surdo / Marching Bass Drum / Clabes / Cabasa / Tambourine / Xylophone / Glockenspiel / Vibraphone)

希望の世界を目指して

[ 作品解説 ]

この二、三年間世界は激動の時代を迎えている。シリアやアフリカでは戦争が絶えないし地球自身も温暖化や寒冷化や、こんなに傷付いて悲鳴をあげている。昔、「沈黙の春」を読んだ、悲鳴をあげているうちはまだ生きている証があるが、鳥も鳴かず虫が飛ばなくなってしまったら、もう遅いのかも知れない。最近ネットで気になる記事を読んだ、アメリカで在来種の蜜蜂が絶滅したらしい、もしかしたらこれが終わりの始まりかも知れない。
と、書き進めたが、でも人間はそれ程馬鹿ではないと信じたい。地球の未来は若者にかかっている、鳥が鳴かなくても我々には音楽がある、歌がある、希望の音で世界を救えると信じたいと思っているが、明日はトランプ氏の大統領就任式。少し困った、いやいやそれでもやっぱり希望を捨ててはいけない、人間の知恵と明るい未来を信じながら、音楽をやり続けよう、皆んなで「希望の世界を目指して」頑張ろうね。

(服部 克久)

[ 編成 ]

Piccolo
Flute
Bassoon

B♭ Clarinet 1,2

E♭ Alto Saxophone 1,2
B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone

B♭ Trumpet 1,2
F Horn 1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
String Bass

Percussion(Suspended Cymbal / Snare Drum / Bass Drum / 4 Tom toms / Hi-hat Cymbal / Xylophone)

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