HOSHINA Hiroshi保科 洋
1960年、東京芸術大学作曲科卒、卒業作品にてその年の第29回毎日音楽コンクール作曲部門(管弦楽)で第1位を受賞する。
以後、本格的に作曲活動を始めるかたわら、東京音楽大学、愛知県立芸術大学、兵庫教育大学で教鞭をとり、2001年3月に兵庫教育大学を定年退職する。
作品は管弦楽曲、オペラ、吹奏楽曲、室内楽曲、合唱曲、ミュージカルなど幅広いが、特に吹奏楽曲では日本を代表する作曲家の一人として知られ、作品のいくつかはアメリカでも課題曲に登録されるなど世界各国で演奏されている。1991年には、日本吹奏楽学会アカデミー賞(作曲者賞)を、現存する作曲家では最初に受賞している。
指揮活動もシエナ・ウインドオーケストラをはじめ幅広く行っているが、特に、アマチュアを対象とした指導法はそのユニークな演奏解釈理論とともに定評があり、岡山大学交響楽団の常任指揮者を40年以上の長きに亘って続け、日本有数の大学オーケストラに育て上げるかたわら、客演指揮者としても全国各地のオーケストラや吹奏楽団体で活躍している。
オルランド・ディ・ラッソの主題による変奏曲
[ 作品解説 ]
オルランド・ディ・ラッソの愛らしいマドリガル「わがこころ、きみのため(Mon Coeur se recommande a vous)」は、簡素な中にもフレキシブルなフレーズに満ちあふれた素晴らしい作品です。
今回「バンド維新」の企画に参加させていただくにあたって、"中学生でも演奏可能な小編成の作品開発" というポリシーをふまえつつ、かつ、単に技術的な難易度にとどまらず、偶数小節の積み重ねによる通常の拍節感の強い曲ばかりではなく、よりフレキシブルなフレーズの表現にも挑戦して欲しい、という願いからこのテーマを選び、曲を構想しました。
テーマは原曲の前半のみを使用していますが、フィナーレでは原曲全体を合唱が歌います(合唱なしでも演奏出来る様にはなっています)。ぜひこの時代の素敵なマドリガルの雰囲気を味わって下さい。
(保科洋)
[ 編成 ]
Chorus(Soprano / Alto / Tenor / Bass)
Flute 1
Flute 2(Piccolo)
Oboe(option)
Bassoon(option)
B♭ Clarinet 1,2
B♭ Bass Clarinet
E♭ Alto Saxophone 1,2
B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone
B♭ Trumpet 1,2
F Horn 1,2
Trombone 1,2
Euphonium
Tuba
String Bass(option)
Timpani
Percussion 1(Xylophone / Cymbals / Triangle / Tambourine / Suspended Cymbal / Vibraphone / Marimba)
Percussion 2(Snare Drum / Cymbals)
※この曲は吹奏楽とコーラスで演奏するのが望ましいが、コーラスなしで演奏することも可能である