内容
人間にとって最も身近な動物の一つ「猫」。古くから人は猫とともに暮らし、その愛らしい表情やしぐさ、柔らかな毛並み、しなやかな身のこなしや自由気ままな性格に魅了されてきました。
本展は、日本画家・秋野不矩と「猫」との関わりを起点に、近現代日本美術における猫表現の多様性と魅力を紹介する展覧会です。
秋野不矩(1908-2001)は、インドを描いた多くの作品で知られる一方、日常の身近な存在にも温かなまなざしを向け、猫と暮らし猫を主題とした作品や素描、文章などを残しています。そこには、制作の合間に寄り添う存在として、観察の対象として、また生活の一部としての猫の姿が率直に捉えられ、秋野不矩の人柄や創作への姿勢をうかがうことができます。
秋野による猫作品や資料をはじめ、本展では秋野と同世代以降の作家が描いた猫作品を3つのコレクションより紹介します。箱根・芦ノ湖 成川美術館と郷さくら美術館の所蔵品からは、昭和から現代にいたる日本画家たちによる、日本画における猫表現の広がりと時代性をご覧いただきます。そして出版 『猫まみれ』で知られる「招き猫亭コレクション」(現・藤沢市コレクション)からは、近現代のさまざまな画家による猫作品を紹介します。ジャンルや作風の異なる作家たちが捉えた猫の姿は、自由でユーモラス、時に鋭く、人と猫との関係を物語ります。
総勢約40名の作家による猫たちを通して、人と猫との尽きることのない関係の豊かさをぜひお楽しみください。
秋野不矩《猫(花の猫)》1959年 小さなサロン美術館 蔵