Series No.105 水野 優也
2016年9月18日に行われたアフタートークの様子をご紹介します。
Q.今回、バッハの曲でリピートなしで演奏された理由は、なるべく多くの曲を紹介したいという理由からでしょうか?また、プレリュードの中に「ミレミファソミ」のところのフレーズのポジションは自分で考えられたのですか?
リピートのことは、おっしゃったようにできるだけ多くの曲を紹介したいなと思いまして、リピートなしで演奏しました。バッハのプレリュードに出てくるポジションについては、多くの方がいろんなポジションで演奏されているのが、最近、よくネットで、海外の国際コンクールの中継が実際にライブ中継で行われています。その映像からいろんな人の指使いを見て、自分なりに色々と研究して、こういう指使いになりました。
Q.ハイポジションの時、音をきれいに響かせるためにどうすればよいですか?また、速いパッセージの曲で左手を速く動かすコツはありますか?
僕は多くの方の演奏を聴いて参考にしているのですが、ハイポジションの音色を聴いて、自分がどういう音を出したいかイメージをふくらませています。実際にチェロで弾いてみて、鳴らしてみるのもいいですし、一人で部屋に籠って歌ってみるとか、そういうこともして、いい音を探したりしています。
左手を速く動かすコツは・・・
練習・・・(笑)
練習しすぎてもだめだと思うので、良く寝ることですね。
Q.お二人に伺いたいのですが、二人の演奏の息を合わせるために、事前の練習とか、本番とか、どういったところをかみ合わせていくか、お聞きしたいです。
水野:諸田さんからは、いろんなことを教えていただいて、それを自分の弾きたいものと合わせています。どうしても気に入らなかったら勝手に弾いています。(笑) とても勉強になることばかりです。
諸田:気に入らなくて勝手に弾いちゃっているという事実を、今知って、結構ショックです。(笑)私自身はこう弾きたいというよりは、楽譜に書かれていることをなるべく忠実にやりたい人なので、ブラームスはこう書いているとか、楽譜の読み方を一緒に読んでいっているつもりです。一番大切にしていることは、呼吸感とそのフレーズの長さ、そして、ハーモニーの色合いです。例えば、絵で言うと背景の色とか、お天気とか、そういうものを、あと、気持ちとかをハーモニーが決めているので、そのハーモニーを聞き逃さないようにということは結構口うるさく言っています。そうすると、彼は非常に音楽性豊かに溢れているので、すぐにくみ取ってくれて、演奏がガラッと変わります。